野望

 
「都会はやっぱり違うなぁ」

そんなフレーズをよく聞いてきたけれど、

リハビリで東京へ通うようになって、
その意味がよくわかるようになった。

ラジオでも何度か言ったことがあるけれど、

東京のスズメやハトは、

人への距離感がものすごく近い。

公園でパンでも食べようものなら、

肩に乗ってくる勢いだ。

そのうちナウシカになれるかもしれないと、

ほんとに思える(笑)

そんな東京。

違うのはスズメやハトだけではなかった。

とある公園でちょっと休憩していたら、

今度はネコがすり寄ってきた。

当然のことながら、

まったくの初対面、

おそらく向こうは野良猫さんなのに、

ほんとに僕の腕に体を付けてきて、

撫でてくれと言わんばかりの空気感で横に居座わられる。

もちろん、

そんな愛らしいことをされて無視できるほど、

クールな男ではないので(笑)

しばらく一緒に過ごしたのだけれど、

都会の生き物はほんとに人に慣れてるんだと思う。



そんな1Day東京。

肝心のリハビリはというと、

ほんとにミリ単位の前進の積み重ねで、

一歩を勝ち取るような、

そんな孤独な戦いだけれど、

確実に1ミリ、2ミリと、

課題を増やしながら進んでいる。

同じ症状で苦しむ方たちの情報も取り入れながら、

僕も卒業生の方たちの後に続けるように、

ここで負けるわけにはいかない。

小さな前進が一歩になり、

地道な一歩がいつか壮大な景色を見せてくれたとき、

言わせたいのだ。

「伊藤直輝はやっぱり違うなぁ」